日刊スポーツ九州トップ > レジャートップ > 忘れられない中津の唐揚げ(からあげ)/九州を食べる
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05年5月23日
大分・中津市の唐揚げを食べにいこう! 九州の鶏肉消費量は全国でもズバ抜けているが、そんな中でも人口約6万7000人の中津市は、1世帯当たりの年間鶏肉消費量が全国でもトップクラス。大分市の鳥天(鳥の天ぷら)も有名だが、身近な家庭料理、唐揚げが中津の看板メニューだ。市内には専門店が10店以上点在するなど、子供からお年寄りまで親しまれる中津のピリ辛唐揚げは、ひと味違う。
中津市内にある唐揚げ専門店に、仕事を終えた客が、次々に集まってくる。好物メニューを夕食のおかず用に注文すると大きな袋を抱えて自宅に持ち帰る。中津市には唐揚げ専門店が10店以上点在している。「味が染み込んで、自宅で食べる唐揚げとはちょっと違う」。中津市観光商業課の小林昌彦さん(50)は、魅力をそう話した。
各店独自の「スパイス」が人気の秘密だ。しょうゆベースに、にんにく、しょうがなどを加えるのは一般的だが、唐辛子、お酒、ごま油、ホワイトペッパー、みそ、りんごなどをペースト状のタレにして肉を1日漬け込む。スパイスは各店のオリジナルで平均すると7〜15種類。ピリッと辛口で、にんにくの香ばしさが何とも表現しようもないうまさだ。カリッとした歯ざわりにジューシーな肉汁…。家庭では出せない油切れのよさ、時間がたっても変わらない肉の軟らかさは専門店ならではの味だ。
客は中津だけにとどまらず、福岡市、北九州市などからもマイカーで買いに来るという。「味の染み込んだ濃い口の唐揚げはここでしか味わえない、という評判をよく聞く」とおきなの角高修社長(60)は話してくれた。
かつて養鶏場を営んでいた父親が、唐揚げ店へ転身して創業40年。地元では「元祖」と呼ばれる村上食堂の2代目・村上正明社長(56)は、唐揚げ専門店が60年代後半から出現し始めた理由をこう説明する。「養鶏場は卵の値段があまり変わらず、60年代には新たな商売を考える時期だった。唐揚げは冷蔵庫とフライヤー(揚げる器)があればいいので設備投資が少なくてすむから、唐揚げ専門店が流行したのでしょう」。
栄養的にみても、タンパク質やコラーゲンも豊富に含まれている。地元では、祭事やパーティーなど欠かせないという中津の唐揚げは、1度食べたら、味と風味が、忘れられませんよ。【浜崎孝宏】