日刊スポーツ九州トップ > 大分トリニータトップ > 木島が「長くて遠かった」J初ゴール
【おすすめ】福岡昇格おめでとう!アビスパ福岡特集
5月3日 23:29
大分FW木島良輔(24)がリーグ戦初得点でチームの勝利に貢献した。C大阪戦の前半3分、FWマグノ・アウベス(28)のシュートがゴールに入る直前に、左足で押し込んだ。1度は現役引退を覚悟しながら、スペインなどでの1年におよぶ浪人生活を経て、昨年大分で復活。自ら「横取り」ゴールと照れたが、遠回りした努力を結実させる1発だった。J1では最多となるホーム3連勝(1分けを挟む)を呼び込んだのは、間違いなくこの男だった。
勝利の余韻が充満するスタジアムで「木島賛歌」はやまなかった。プロ7年目でリーグ戦初得点。遅すぎたヒーローインタビューに、木島は顔をくしゃくしゃにした。「(マグノ・アウベスのシュートが)入ると思ったけど、触ったので僕の得点です。すごく喜びたかったけど、みんなマグノに集まっていって…」。いわゆる“ごっつあんゴール”に照れながら「自分の得点。うれしいです」と正直だった。
長く、遠かった。横浜から期限付き移籍して大分のJ1昇格に貢献した02年オフ、両クラブから解雇された。一時は現役引退を覚悟したが、実家のある千葉県で浪人生活を開始。地元の高校に頭を下げて練習に参加させてもらった。「オイ、アレ木島じゃん。何やってんの」。高校生の悪気のないささやきが耳に痛かった。横浜ユースで異例の練習生にもなった。チャンスを求めスペイン2部リーグBのフェロルへ練習の場を移した。貯金を切り崩し、レトルト食品で食いつなぐ孤独な1人暮らしだった。そんな努力が、昨年秋、残留争いに苦しむ大分からの再オファーで、1年ぶりにプロ復帰。そして、この日のゴールにたどりついた。
「今まで自分はほめてもらったことがないのに、監督はほめてくれるんです」。サッカーをできる喜びを与えてくれたベルガー監督に感謝した。J2優勝を果たした思い出のユニホームや記念品は愛車とともに盗まれ、失った。だが、今は新たな勲章をつかむ、チャンスがある。「続けて活躍できるように頑張ります」。木島の目は次戦を見すえていた。【押谷謙爾】
◆木島良輔(きじま・りょうすけ)1979年(昭54)5月29日、千葉県九十九里浜町出身。帝京から横浜−ベルグラーノ(アルゼンチン)−横浜を経て、02年に大分入り。フェロル(スペイン)の練習生だった昨年10月に再入団。J1、J2リーグ通算58試合出場1得点。165センチ、65キロ。B型。
大分ベルガー監督(木島の先制ゴールに)「周囲から木島はスタメンだといい結果を出さないと言われたよ(笑い)。だが自分の持ってるものを出し切ってくれた。前向きでいい選手だし、あのスピードはとても脅威だよ。学ぼうという意識もいい」
写真=大分対C大阪 リーグ初得点を挙げ、C大阪に勝利した大分FW木島は「やったぜ ! 」を笑顔いっぱい(撮影・多田篤)