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5月3日 23:27

ベルガー方式で早くも3勝目

 J1昇格2年目の大分が、今季初の完封勝ちで3勝目を挙げた。この春就任したベルガー監督(53)は、DFラインから前線までを超コンパクトに保つサッカーを徹底。直前の2試合で連続4失点と守備が崩壊したが、元オランダ五輪代表監督はこの日も自らの考え貫き通した。ピッチ内外で規律を重んじる姿勢も、現在の戦術を支えている。第1ステージもこの日で折り返しの7節を消化。J1全16チームの監督の采配をチェックしてみた。

大分対C大阪 後半30分、大分FW高松(中央13)のヘッドでC大阪にとどめを刺したベルガー監督は笑顔で迎える(撮影・多田篤)

 シックな濃紺のスーツに身を包んだオランダ紳士が、顔を真っ赤にして会見に臨んだ。いきなり日本語で「いいゲーム」と笑わせると、3発快勝の90分間を振り返った。「こういう試合を見たかった。ボールを持つ相手にプレスをかけ、奪ったらすぐに攻める。選手たちを誇りに思う。これで自信を取り戻したでしょう」。ベルガー監督が、今季最高の笑顔を浮かべた。

 前半2分に木島のリーグ戦初得点で先制。主導権を握ると、DF、MF、FWの3層を常に10メートル未満に保った。前線から激しいプレスをかけ、中盤で相手のプレー時間、コースを制限。楽な形でアタッカーにボールを与えず、パスを奪った瞬間、高い位置から反撃を開始する。後半に吉田孝と高松が加点する一方、C大阪にペナルティーエリア内で許したシュートはCKからのの1本だけだった。ロングボールからの攻撃はオフサイドトラップの網にかけた。11人の「ユニット」が見事な競演で、初の完封勝ちを収めた。

 ベルガー監督は就任直後から厳しい規律でチームの統制を図った。集合時間は練習開始の45分前が鉄則で、1分遅れるごとに1000円の罰金。クラブハウスでの携帯電話使用を禁止し、ミーティングや食事中に呼び出し音が鳴れば1万円を徴収する。食事はテーブルごとに料理を取りに行く順番まで決まっている。すべての団体行動がピッチのプレーにつながるとの考えからだ。他チームと異なり、今季の大分はハーフタイムに控え組がピッチでアップすることはない。ロッカー室でのミーティングが優先される。「私は規律を重んじる」とベルガー監督。11人もの選手が連動して1つのボールを相手ゴールへ運ぶため、日ごろから「ユニット」の意識を植え付けてきた。

 直前に2戦連続4失点。高いラインの弊害が出たが、元オランダ五輪代表監督は信念を曲げなかった。高松は「監督がやろうとするサッカーをみんなが、やろうとしている」と強い信頼関係を強調した。戦術、意識改革は確実にチームに浸透してきた。吉田孝は「(次節の磐田は)僕らにとっては王者なんで、何とか勝ちたい」と誓った。ベルガー改革の進む大分が、波乱の存在になりそうだ。【押谷謙爾】


 ◆ハン・ベルガー 1950年6月17日、オランダ出身。21歳でユトレヒトのアシスタントコーチになり、前任監督の解任により25歳の若さで監督に昇格。その後フローニンゲンやAZなどで監督を歴任。98年はオランダ五輪代表監督。同国サッカー協会のコーチ協会長も務めた。好きなサッカー選手はジダン(Rマドリード)。180センチ、77キロ。

写真=大分対C大阪 後半30分、大分FW高松(中央13)のヘッドでC大阪にとどめを刺したベルガー監督は笑顔で迎える(撮影・多田篤)