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05年11月28日

【福岡連載4】下部組織のビジョン維持が課題

 ユース出身のFW田中が2年目でレギュラーに定着した。福岡では通算6人目のトップ昇格者。選手の自給自足が1つ成果を出した。高額な移籍金で何人も選手を獲得することは、クラブの身の丈に合わない。「お金はなくても、将来は優勝争いに絡めるチームづくりを目指したい」(中村管理強化部長)。ユースや高卒、大卒の有望株をトップの戦力へ育てる作業は補強以上に重要なテーマだ。

 00年に約3億円をかけ、練習場を備えた選手寮を完成。降格の危機にあった5年前に育成型チームの下地を用意していた。現在はトップの若手以外に県内外からのユース10選手も生活する。理想は広島や京都ユースのように地元校と連携した全寮制。ただ、天然芝グラウンドなどハード面では後れをとる。「進路を選ぶのは中学生。やはりビッグクラブの施設にかなわず、そっちに流れていく子供もいる」と中村部長。高校世代だけでなく、中学世代でも人材が流出する傾向はぬぐい切れていない。

 ユースの下に位置する、ジュニアユース(中学世代、JY)の強化で課題をクリアしようという計画がある。3年以内をめどにJYを福岡県内に3〜4チームを結成する案で、原石を早期に発掘、育成して、トップ強化につなげるものだ。「広島も下部組織に資金を投じ、成功させるまで10年を要した。種をまいても翌日に花は咲かない。来季予算、チーム関係費の増額分を全部トップに回すつもりはない」。広島ユース元監督の中村部長は下部組織の強化を継続する覚悟を決めた。

 ただ、過去の福岡は出資会社から出向してきた経営陣がコロコロと変わり、そのたびに方針が揺らいだ。クラブのそのビジョンを継続できるかが大きな課題として突きつけられている。熊倉社長は「2〜3年は落ちないチームづくり」というが、将来、A代表を輩出する気概を持ってチーム運営をしないと、発展は見込まれない。【押谷謙爾】

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