日刊スポーツ九州トップ > アビスパ福岡トップ > 【福岡連載2】基本の反復と我慢で戦術浸透
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05年11月26日
育成路線で福岡がなぜ昇格できたか。優勝した京都が豊富な資金力で能力の高い選手による個人力で勝負したのに対し、福岡は組織力で戦った。今季の最大戦力は、昇格を逃した過去2年の「経験値」だった。「2年目の始まりと、3年目の始まりとでは違った」。就任3年目の松田監督は、開幕時点で戦術の浸透度に手応えを感じていた。
連係が重要なゾーンDFが洗練された。42失点は京都(38)に次いでリーグ2位。「失点が減ると勝つ確率が上がった。J2にいる選手は何か問題があるからJ2なわけで…。戦術を伝え続け、それがセーフティーネットのような形となって彼らを助けていた」(松田監督)。選手たちも「こうしたら勝てるというのが分かってきた」と振り返った。
我慢して若い選手を「松田色」に染めていった。練習メニュー、サイクルは変わらなかった。パスで支配し、サイドへ展開する松田戦術の基礎を徹底的に植えつけた。パスの受け方、動き方。できない選手には松田監督の声が飛んだ。辛抱強く、毎日反復した。指揮官の口から「ディシプリン(規律)」という言葉が出ない日はない。戦術運用上のルールを徹底させ、無謀なプレーで規律を乱せば主力でもメンバーから外した。結果を出せば使い続けた。組織のほころびを少しずつ減らし、昇格という目標に近づいていった。
J2トップ級の技量を持つFWグラウシオ、MFホベルトの存在も大きかった。中村管理強化部長が「高額年俸でなくても、しっかり働く選手を見極めた」。成長過程の若いチームに彼らの能力が融合した。「福岡がJ2で最も洗練され、強いチームだった」。昇格を逃した山形の鈴木淳監督(44)が完成度を素直に認めるほどだった。【押谷謙爾】