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1月30日 22:21

近大・大隣、ソフトバンク入り有力

 今秋の大学・社会人ドラフトの超目玉、近大・大隣憲司投手(3年=京都学園)のソフトバンク入りが有力であることが29日、分かった。アマ球界屈指の左腕には広島以外の11球団がすでに獲得に名乗りを上げていたが、複数のプロ野球関係者が「意中の球団はソフトバンクのようだ」と明らかにした。ソフトバンクは昨年から密着マークを開始。充実した投手陣で常勝軍団を目指す姿勢もアピール材料となった。今春リーグ戦終了後にも大隣は最終決断を下す。

阪神時代の江夏豊 <br><br>下=近大の大隣憲司

 「江夏2世」の活躍の舞台は博多になる。アマ球界屈指の左腕・大隣のソフトバンク入りが有力となった。複数のプロ野球関係者が「ソフトバンクが意中の球団のようだ」と明らかにした。斉藤、杉内、和田、新垣などで形成する投手王国にさらに強力な左腕が加わることになる。

 最速149キロの直球に、抜群の制球力の持ち主。昨年6月の全日本大学選手権では大会新となる19奪三振を記録した。体形、投球術は名投手・江夏豊氏(57)をほうふつとさせ、どの球団もノドから手が出るほど欲しい逸材。10日の始動日には巨人、ソフトバンク、日本ハム、横浜、阪神の5球団スカウトが集結。その後もグラウンドを訪問する球団は途切れず、広島以外の11球団が獲得に名乗りを上げた。激しい争奪戦が予想されるが、大隣は1つの方向性を出したもようだ。

 獲得にいち早く動いたのは、ソフトバンクと巨人だった。昨年11月の明治神宮大会では巨人が9人、ソフトバンクが8人の大スカウト団を編成し、ネット裏から熱視線を送った。この熱意が大隣サイドに届き、事実上、2球団に絞られた。中でもソフトバンクは和田や杉内らアマ時代に騒がれた素材が順調に成長。また孫オーナーのもと、世界レベルの常勝軍団を目指している。そういった環境が大きなアピール材料になった。球団関係者は「和田と杉内を足して2で割ったようだ。球に力がある」と高く評価する。昨年まで2年連続プレーオフで敗退しただけに、大隣の加入は願ってもない。

 渦中の左腕は現在、奈良県生駒市の近大グラウンドで練習中。ブルペンでの投げ込みはまだ行っておらず、走り込み中心のメニューで黙々と下半身を鍛えている。「(プロは)考えないようにしたい。まずはリーグ戦優勝を目指したい」。連日の「スカウト詣」にも意識することなく、トレーニングに集中している。

 低迷脱却に尽力する巨人が巻き返す余地は残っているが、現状はソフトバンク優位。大隣は今春のリーグ戦終了後にも最終結論を下すことになりそうだ。

 ◆大隣憲司(おおとなり・けんじ)

 ▼誕生・サイズ 1984年(昭59)11月19日、京都市南区生まれ。174センチ、82キロ。左投げ左打ち。

 ▼野球歴 久世小1年から「久世少年野球」で外野手として野球を始める。3年から投手転向。久世中では「京都ライオンズ」に所属し、全国大会出場。京都学園では3年春の近畿大会で優勝も、甲子園出場経験はなし。

 ▼大学NO・1 2年春からベンチ入りし、リーグ戦通算13勝7敗。昨年春はリーグのMVPとベストナインを受賞。夏の全日本大学選手権では最優秀防御率投手賞(0・00)と1試合最多19奪三振の大会新記録で特別賞を受賞。秋の明治神宮野球大会は、優勝した九産大と初戦で対戦し、サヨナラ負け。

 ▼急成長 京都学園時代は最高138キロだった速球が、昨春リーグ戦の開幕・関大戦では149キロまでアップ。

 ◆近大の江夏 速球左腕で、どっしりした体形から近大・榎本保監督(50)が命名した。


 ◆大隣の今後の予定 2月中旬まで奈良県生駒市の近大グラウンドで練習を行い、2月20日にキャンプ地の広島・呉に移動。翌21日から3月3日まで野球漬けの生活を送る。オープン戦は3月9日のホンダ技研鈴鹿戦からスタート。NOMOベースボールクラブや、阪神が獲得を目指す左腕小嶋擁する大阪ガスとの試合や関東遠征などで調整し、4月1日のリーグ戦開幕を迎える。

 ◆ホークスの00年以降のドラフト主力投手補強 ホークスは00年以降、即戦力投手を中心にドラフト上位で指名し、現在の「投手王国」を築いた。02年度に自由枠で入団した和田は、1年目から14勝(5敗)をマークし、新人王を獲得。昨年まで3年連続2ケタ勝利を継続中だ。03年度入団の三瀬も1年目から抑えを任され、32SPで最優秀救援投手賞と新人王をダブル受賞した。また、01年度入団の杉内は昨季、自己最多の18勝(4敗)を挙げ、沢村賞、最多勝、最優秀防御率など投手部門タイトルを総なめするなど、一気にブレークした。

 大隣争奪戦で他球団をリードするソフトバンクは、正式決定まで徹底マークを続ける。球団関係者は「将来のローテーション投手というより、エースになれる素材。何としても獲得したい投手です」と大隣を評価するだけに、昨年中に希望枠での獲得方針を決定。大隣の練習開始日となった10日には小川編成部スカウト担当部長らが「希望枠でお願いするわけだから。当然です」と近大グラウンドを訪問。今後も関西地区担当の永山チーフスカウトを窓口に、誠意をアピールし続ける。

写真=阪神時代の江夏豊

下=近大の大隣憲司