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05年10月18日

松中が今年も不発

<プレーオフ第2S:ロッテ3−2ソフトバンク>◇第5戦◇17日◇福岡ドーム

 涙はなかった。だが、1歩も動けなかった。最後の打者川崎が左飛に倒れると、主砲松中は腕組みをしたまま、目の前に広がるロッテの歓喜の輪を見つめた。「自分の力のなさというか。チームに迷惑をかけたし、ファンに申し訳ない。これが今の自分の力。悔しい」。1年前と同じ光景が、悔しさを増幅させた。

8回裏ソフトバンク2死一塁、薮田の暴投で二塁に頭から滑り込み、気迫のガッツポーズを見せる松中(撮影・蔦林史峰)

 エンジンのかかりが遅かった。1−0で迎えた3回。2死二塁の好機で打席が回ってきた。初回も同じ好機で三ゴロに倒れ、初戦から続く無安打は17打席に膨れ上がっていた。「結果が出てないけど自分を信じてやるしかない」。信念を貫き通す松中に、野球の神様がほほ笑む。

 カウント2−2からロッテ先発セラフィニの外角146キロの直球を左翼線へはじき返した。左翼ベニーが打球処理にもたつく間に一気に二塁へ。「こんな自分にこれだけ声援を送ってくれるファンに、何としても応えたいという一心だった」。塁上では両手こぶしを突き上げ、たまっていたうっ憤を一気にはき出した。スタンドの大声援にヘルメットを取ってこたえた。ベンチに戻ると、主砲の一打に王監督、ナインが総出で出迎えた。

 逆転された直後の8回には四球で出塁。続くズレータの初球がワンバウンドすると、ヘッドスライディングで二塁を陥れた。気迫を前面に出したプレーでナインを鼓舞したが、ロッテをとらえることはできなかった。

 6分3厘(16打数1安打)。シーズンで打点、本塁打の2冠を手にした松中の、今プレーオフの打率だ。「技術だけでなく、精神的にもっと強くならないと」。敗戦の責任を背負った主砲が、1年後の雪辱を誓った。【石田泰隆】

写真=8回裏ソフトバンク2死一塁、薮田の暴投で二塁に頭から滑り込み、気迫のガッツポーズを見せる松中(撮影・蔦林史峰)

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