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05年5月8日

王采配は交流戦でもズバリ

<ソフトバンク4−2ヤクルト>◇7日◇神宮

 交流試合制覇へ好スタート−。王ソフトバンクが、ヤクルト相手の交流試合初戦で、試合巧者ぶりをみせて白星発進した。前日6日は雨天中止で仕切り直し≠強いられたが、王監督の采配に狂いはない。DH制が採用されていないセ・リーグの主催試合も巧みに選手を操り、4−2の快勝を収めた。チームは今季3度目の4連勝で、貯金は最多の12。歴史的な1勝を弾みに、首位ロッテを猛追だ。

◇シーン1:5回表ソフトバンク無死一塁、本間は投前送りバントを決める◇シーン2:7回表ソフトバンク1死一、三塁、代打井出は右翼線に勝ち越しの適時二塁打を放つ(撮影・越田省吾)

 3時間21分のゲームにも、普段以上の疲れを王監督は感じていた。「それはやっぱりね。パ・リーグでは投手に代打を送るとかないわけだしね。いつもは、ブルペンとの駆け引きだけでいいのだから」。ヤクルト主催のため、DH制のない慣れないルールのもとで神経を使い続けた。歴史的な交流試合初戦を白星で飾った喜びに浸るより、安どの思いがこみ上げていた。無理もない。勝敗の分岐点となったのは、ほかでもない自らの采配だったのだから。「パ・リーグでは一切ない場面だったからね」。

 ◆シーン1 1−1の5回表無死一塁。8番本間が送りバント。次打者の投手新垣は1球もスイングせず、見逃し三振。あえて、2死二塁にし、1番柴原が右翼線へタイムリー二塁打

 王監督 あそこは、柴原での勝負だけだった。

 交流試合へ向け、春季キャンプで投手陣は打撃練習を行ってきた。だが、王監督は「ヒットを打つことは期待していない」と言う。ソフトバンクにとってみれば、重圧のかかる交流試合の開幕戦=Bバントも含めた新垣への重圧を減らそうと、本間に犠打をさせ、柴原勝負に賭けた。

 ◆シーン2 2−2の7回表。1死一、三塁で打順は投手の新垣に。右投手のヤクルト川島に対し、右打者の井出を代打起用。その井出が、決勝の右翼線適時二塁打

 王監督 左打者を出せば、左投手が来るのは分かっていた。井出は右でも左でも関係ない。

 この日、主砲松中をレフトでスタメン起用。そのため、左打者の宮地がベンチに残っていた。宮地は打率2割6分9厘、井出はその打席まで、打率9分5厘。左投手への継投機会をうかがっていたヤクルト・ベンチの動きを封じ込める一手でもあった。井出は3月30日の楽天戦を最後に1カ月以上もヒットはなかったが、指揮官の読みは当たった。

 王監督は東京入りした5日夜。都内の自宅に戻ると、故恭子夫人の仏前で手を合わせた。95年にダイエー監督就任以降、セ・リーグのチームとの真っ向勝負の試合を熱望してきた。歴史的な一戦を目前に、気持ちは充実していた。神宮球場での白星も、感慨深いものに違いない。早実高1年時の56年夏。東京都予選での初本塁打は神宮球場の右翼席に放ったもの。思い出の地で、ナインが大きな白星をもぎ取ってくれた。

 チームは今季3度目の4連勝で貯金は最多の12。9連戦の初戦を落とさず、最高のスタートだ。交流試合を制し、ペナントでのロッテ追撃へ。王監督の采配と青写真に狂いはないはずだ。【松井周治】

 ◆王監督の日本シリーズさい配 ダイエーで初優勝を飾った99年、日本シリーズで中日と対戦し、1勝1敗で敵地ナゴヤドームに乗り込んだ。先発永井は中日打線を6回まで無安打無失点、投球数85球という内容。シリーズ史上初のノーヒットノーランという可能性もあったが、王監督は2点リードの7回1死一、三塁の場面で9番永井に代打。シーズン同様に篠原、ペドラザの「勝利の方程式」につなぎ、完封リレーでシリーズ2勝目を飾った。この勢いに乗って、敵地3連勝を飾り、初の日本一を達成した。

 ソフトバンク柴原(5回、右翼線への適時二塁打に)「打ったのはフォーク。うまくバットに引っ掛けることができた。点を取られた後だったので、すぐに取り返せてよかった」

写真=◇シーン1:5回表ソフトバンク無死一塁、本間は投前送りバントを決める◇シーン2:7回表ソフトバンク1死一、三塁、代打井出は右翼線に勝ち越しの適時二塁打を放つ(撮影・越田省吾)

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