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05年3月9日
待望の1発が注目のIT球団対決にケリをつけた。福岡ソフトバンク城島健司捕手(28)が楽天との初対決で豪快にオープン戦1号を放った。途中出場の7回。先頭で打席に入ると、楽天3番手の有銘から左中間スタンドへ貫録のソロ本塁打。終盤に飛び出した主砲の1発で勝負を決めた。これまで7戦1本塁打と低反発球の影響もあって低調気味だった打線に城島のバットがカツを入れた。
快感が城島の体を突き抜けた。7回裏。先頭で初打席が巡ってきた。カウント0−1からの2球目。楽天3番手の有銘の136キロの真ん中の直球だった。「そんなに引っ張ってなかったし、打球方向も良かったと思いますよ」。自画自賛の打球は、これまでのうっ憤を晴らすかのように、ライナーで左中間スタンド中段へ突き刺さった。宮崎キャンプ中の紅白戦を通じて、25打席目で飛び出たオープン戦1号本塁打。着弾も確認しない完ぺきな一打だった。
打ちたかった。打たなければならなかった。前日までオープン戦7試合のチーム打率は、2割1分5厘の12球団ワースト。本塁打も1日の中日戦(福岡ドーム)でズレータが放った1本だけ。6日の巨人戦後、王監督は嘆いた。「(本塁打が)出ないね。ボールが変わったとかいろいろあるが、自分たちでつかんでいくしかない」と話していた。その矢先の1発。城島は「周りがいろいろ言ってるので、今日の1発は監督が一番喜んでいるんじゃないですか」とちゃめっ気たっぷりに振り返った。
城島スタイルを貫き通した。今季から低反発球、いわゆる飛ばないボール≠ェ導入される。スイングスピードを上げるため、バットを軽量化したり、パワーアップを図る選手が多い中、あえて城島は何も変えなかった。「人間には適応能力というものがある。ボールが変わったからといって、自分のやることは何も変わらない。とにかく慣れですよ。慣れるしかない」。宮崎キャンプも昨年同様、自分の懐に呼び込む打撃スタイルを磨くことに没頭した。サク越えよりも、まずは手元に引きつけることに集中。体の近くに投げてもらい、窮屈な体勢からのティー打撃も行った。「1センチでも引きつける。難しい球に手を出さず、ストライクを打つ」。この日の1発は、まさにギリギリまで引きつけて力で押し込んだ形の一打だった。
「待望の1発が出たね。本当に久しぶりでした。去年いくら打っても、1本も出ないのは不安。あとは松中だね」。王監督もようやく飛び出た主軸のアーチに胸をなで下ろした。右肩、右ひじの状態が万全ではないため、この日も途中出場。だが、今オープン戦初めてマスクをかぶった。セーフにはなったが二塁送球も見せた。昨年の初アーチは3月7日の巨人戦。桑田のカーブを2打席連続でスタンドに運び去った。時期的にもほぼ同じペースだ。「万全ではないが、徐々に良くなっている。明日は状態次第だね」と今日9日のヤクルト戦での先発マスクの可能性も示唆。背番号「2」がいよいよ定位置でチームをけん引する。【石田泰隆】
写真=7回裏ソフトバンク無死、城島は左越えにオープン戦初本塁打を放つ(撮影・梅根麻紀)