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05年2月15日

和田が214球でスタミナ克服だ

 今年はオレに任せておけ−。ソフトバンク和田毅投手(23)が、プロ最多の投げ込みで最高の仕上がりぶりを首脳陣に猛アピールだ。バレンタインデーのこの日、今キャンプ6度目のブルペン投球で「214」球。投球後「今日はバレンタインデーにあやかりました」とおどけた左腕に不安はいっさいない。過去、2年連続して故障で春季キャンプを途中リタイアした。そんな悪夢を振り払うように、すでに昨年のブルペン投球総数を更新して、スタミナ増幅に手応え十分。世界一を目指す投手陣をリードする。

2月14日のバレンタインデーにちなんで214球を投げ込んだ和田(撮影・梅根麻紀)

 最後はキレのある直球を選択した。和田の鬼気迫る形相から投じられた214球目。糸を引くような伸びのある直球が、杉田ブルペン捕手のミットに収まった。投球後、グラブをポンとたたき、約1時間30分という自身との長い闘いにピリオドをうった。「今日(14日)は初めから200球は投げるつもりでした。これだけ投げても疲れはありません。214球はバレンタインデーにあやかりました」。ブルペンにいた数分前とはまったく別人の表情が、内容の濃さを物語っていた。

 今キャンプ6度目のブルペン投球。前回12日には148球を投げ込み、自己記録をマークしたばかりだったが、わずか2日で更新した。この日の214球で今キャンプの総投球数も696球に達し、昨年の615球を早くも上回るなど、仕上がりの順調さを数字も示した。

 投げ込みには、しっかりとした狙いがあった。過去2年間、春季キャンプではけがによる途中リタイアを強いられた。「もうケガで調整が遅れたりするのはこりごりですから」。けがの影響は、投げ込み不足に直結し、シーズン成績の伸び悩みつながったと判断した。「シーズン中に疲れても、これだけ投げたという裏付けがあればやれると思う」。この時期にしっかりと投げ込むことで、シーズン中に疲れが出たとき、最高のパフォーマンスを披露できる。「練習の虫」ともいわれる和田が、ようやく肩のスタミナ増に手応えを感じ始めた。

 苦い思いを振り払おうと、今オフの自主トレは原点に立ち返った。母校・早大で大学時代の同級生で、専属トレーナーでもある土橋恵秀氏(26)との二人三脚で、10時間にも及ぶハードトレを敢行した。「(大学時代)ガムシャラに練習した場所で、もう1度自分を見つめ直しました」。一心不乱に下半身をいじめ抜いた。

 今キャンプ第1クールは、自主トレの仕上がりの良さからブルペン投球は行わなかった。第2クールからブルペン入りし、捕手を座らせたのは第3クールに入った11日。焦りもない。そこには余裕だけがあった。体重も例年はキャンプ中に2〜3キロ減る傾向にあったが、今キャンプでは逆に増量中。ベスト体重より約3キロも多い76キロ近くまで増えた。過去2度のキャンプとは違う。進化した左腕がそこにいた。

 斉藤、新垣が開幕候補に名を連ねるが、負けてはいられない。「(214球は)今年はやるぞという決意表明です」。ソフトバンク元年の投手陣は、グレードアップした左腕がグイグイと引っ張る。【石田泰隆】


ソフトバンク和田の故障メモ

 ◆左肩下部小円筋痛 ルーキーイヤーの03年2月16日、高知キャンプ。ブルペン投球中に左肩下部の小円筋に痛みを訴え、投球練習をわずか6球でストップ。シート打撃、紅白戦の実戦登板なしのまま、3月9日のオープン戦(対広島=福岡ドーム)で復帰。開幕ローテーション入りは果たした。

 ◆右ひざ痛 03年8月9日、翌10日の日本ハム戦(福島)に備え、茨城・ひたちなか球場内のブルペンで投球練習中に右ひざを痛めた。

 ◆左ひじに違和感 04年2月25日、宮崎キャンプ中に左ひじの違和感を訴え、予定されていた紅白戦登板を回避。3月2日のオープン戦(対中日、福岡ドーム)で復帰。

 ◆左親指付け根の亀裂骨折 04年3月9日のヤクルト戦(福岡ドーム)に先発したが、5回途中で左親指に違和感を訴え、途中降板。翌10日に福岡市内の病院で検査を行い「左手親指付け根の関節炎」と発表されたが、実は患部の亀裂骨折だった。開幕ローテーション入りを逃し、4月9日の日本ハム戦(福岡ドーム)で復帰戦を勝利で飾った。

 ◆左肩の炎症 04年シーズン後の10月23日。福岡市内の病院でメディカルチェックを受け、左肩の炎症と左ひじに水がたまっていると診断された。


チョコは約100個

 和田が人気の高さを証明した。バレンタインデーのこの日、キャンプ地・生目の杜(もり)運動公園にはチョコを持った多くの女性ファンが殺到。グラウンド移動中も女性ファンからチョコを手渡され、両手がふさがるほどだった。「ありがたいことですよね。直接手渡された数は30個ぐらいですかね」。球団事務所や宿舎ホテルに届いた数を合わせると約100個近くと、相変わらずの人気ぶりだった。

写真=2月14日のバレンタインデーにちなんで214球を投げ込んだ和田(撮影・梅根麻紀)

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