日刊スポーツ九州トップ > ソフトバンクホークストップ > 星野が「代役」から「主役」へ
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4月24日 00:38
代役が主役になった。王ダイエーの強さを象徴したのは”スクランブル登板”した星野だった。予告先発されていた和田がウイルス性胃腸炎で登板回避。代わって先発すると、日本ハム打線相手に7回6安打3失点の粘投。02年9月15日のロッテ戦以来、1年7カ月ぶりの白星で、チーム今季初の4連勝の立役者となった。打線も松中、城島の主軸に加えて稲嶺、高橋ら伏兵が活躍。投打がかみ合い、王者が底力を発揮し始めた。
もう「代役」とは言わせない。試合終了の瞬間、ダイエー星野は一塁側ベンチでうれしさと安どが入り交じった笑みを浮かべた。7回を投げて6安打3失点。先制を許し、打線が逆転した直後の3回裏には同点とされた。それでも、めぐってきたチャンスに集中力を切らさなかった。「どう転ぶか分からない試合だった。持っている力を出し切ろうと思った。悔いを残さないようにやるだけでした」。打線の援護もあったが、粘りの投球で02年9月15日のロッテ戦(福岡ドーム)以来、1年7カ月ぶりの勝利をつかんだ。「本当にうれしい」。実に586日ぶりの喜びに包まれた。
急きょ回ってきた先発マウンドだった。和田がウイルス性胃腸炎で登板回避。この日の午前中に正式に先発を伝えられた。「次のチャンスがあるかどうか分からない。勝ちたかった」。昨年まで通算35勝はチーム先発陣で最多の白星。昨年5月には右ひじ遊離軟骨除去手術を受けた。99年10勝、01年13勝の実績を持つ右腕は戦列を離れた間に、和田、新垣ら若手先発陣に追いやられていた。2点リードの5回裏。2死一、三塁でセギノールを迎えた。それまで1発を含む2安打3打点を許していた。「開き直りました」。カウント2−1からシンカーで空振り三振に。先発で優勝に貢献した男の意地で、要所で踏ん張り、復活の2文字をつかんだ。
斉藤、和田、新垣、杉内の「先発4本柱」は1勝ずつしか挙げていない。決してチームは本調子ではない。それでも、今季初の4連勝をマーク。貯金も6に伸ばした。星野の復活はチームの底力の象徴でもある。王監督は言った。「星野は経験のある投手だからね。4連勝? 万全ではないが、我々には日本一になった経験がある。選手にも勝った経験があるし、その意識がある」。星野の踏ん張りに打線も応えて14安打。投打にわたり、和田のアクシデントを乗り越えた。2年連続日本一へ、王者が少しずつ力を見せ始めている。【松井周治】
<命の誕生に奮起>
新たな命に誓った白星だった。1月23日午前1時9分。星野と葉子夫人(32)の間に長女舞実ちゃんが生まれた。同22日午後に熊本・天草での自主トレを打ち上げた星野は、福岡市内の病院に直行して出産に立ち会った。ベッドのそばに立っていると、葉子夫人に言われた。「パパ、頑張って、また勝ってよ」。もちろん、星野もこの日に向けて着々と準備を進めていた。昨年12月からオフを返上してキャッチボールを続けていた。実家のある新潟で、正月明けからピッチングを開始していた。「チャンスさえもらえれば、若い選手に負けるつもりはない」。チーム投手陣最多となる通算36勝目。星野にとって忘れられない勝利となっただろう。【ダイエー担当・松井周治】
写真=上=和田に代わって緊急登板の星野は、7回を6安打3失点に抑える力投で1年7カ月ぶりの勝利を飾った(撮影・進尚幸)
下=1年7ケ月ぶりに勝利を飾った星野(左)は4セーブを挙げた三瀬と握手を交わし満面の笑みを浮かべる(撮影・進尚幸)